探偵が行う素行調査に対して違法なのではないかというイメージを持つ人は少なくありませんし、実際のところ、こうした調査のために考えられる方法には合法なものもあれば違法なものもたくさんあります。

違法にならない素行調査の範囲

では探偵が行う素行調査としてはどういった方法が使われているのかというと、基本となるのは尾行、聞き込み、張り込みの三つです。

尾行とは調査対象となる個人の後を追跡してその間のデータを徹底的に調べ上げること、聞き込みとは調査対象のことを知っている人に尋ねて情報を収集すること、そして張り込みは調査対象が行きそうな場所に探偵を配置して行動を観察することです。

これら三つの調査はいずれも合法とされており、こうした方法によって得られた情報を依頼人に伝えることに関しても問題がないとされています。

詳細:探偵が行う合法的な素行調査の方法とテクニック

違法になる素行調査の取り組み方

住居侵入、GPS、盗聴

逆に違法とされる調査にはどう言ったものがあるのかというと、代表的なものとしては住居侵入やGPSの取り付け、盗聴といったものが挙げられます。

住居侵入については明らかに住居侵入罪に該当しますから実行した探偵が犯罪者になりますし、GPSの取り付けや盗聴はプライバシーの侵害とされる可能性が高いです。(配偶者が取り付けるのはOKという場合も)

こうした調査方法を素行調査に用いるというのはリスクが高すぎますから、まともな探偵であれば別の方法で対応するのが基本です。

工作、別れさせ屋

また数年前に話題になった特殊工作業務、例えば別れさせ屋といったものに関しても犯罪です。

もちろん偶然にも調査対象が浮気をしていて、その調査対象の浮気相手と交渉をして証拠を譲ってもらい、それを使って別れさせるということであればセーフになります。

しかし通常の別れさせ屋の工作は調査対象が浮気をしやすい環境を意図的に作り出して浮気をさせて、それを使って別れさせるというものです。

こうした違法な方法で素行調査をするような探偵に対して依頼をしても良いことは一つもありません。

これは紛れもない詐欺行為と扱われてしまいますから、やはりしっかりとした探偵事務所であれば絶対に請け負わないものになって来ています。

依頼者が法を犯さない意識を

依頼した探偵が犯罪によって調査をしてそれが相手に知られたということになると立場が逆転して依頼人が一気に不利になりますし、そもそも合法的な手段で情報を集められない探偵というのは実力不足の素人です。

もちろん探偵側が断っているにも関わらず無理に違法な手段での調査を頼み込むというのもやってはいけないことですから、素行調査を考えるのならば合法的な手段で正々堂々と調査をしてもらうようにしてください。

探偵業は平成19年6月1日に施行された「探偵業の業務の適正化に関する法律」で定められています。すなわち警察署に届け出をして証明書を交付された業者のみが探偵を名乗れます。もちろん規則があり敗れば罰則もあります。

参考:警察庁

素行調査トラブルなし