弁護士に他人についての調査を依頼することは可能です。また、探偵・興信所に素行調査を依頼することも可能です。
弁護士の調査の範囲とは
両者の違いは、①報酬を得る目的で弁護業務をできるかどうかです(弁護士法72条)、また②探偵業としての届け出を公安に提出して許可を得ているかが違います。
探偵には法律行為はできない
探偵はお金を得る目的で法律事件の代理はできないという事が1つ挙げられます。両者の大きな違いは相手を調査した後に、報酬を得て法律事件の代理ができるかどうかです(不貞行為に基づく民法709条による損害賠償請求等)。
調査するのは探偵、法律行為は弁護士
弁護士は調査業の専門家ではありませんので、原則自分でやらずに、探偵・興信所に任せて事実的物的証拠を集めてその後の法律行為の代理を専門としています。つまり、結局は、調査するのは、探偵・興信所になります。
弁護士と探偵は繋がってる事も
この場合に、探偵・興信所に最初に依頼するかどうかという問題があります。弁護士と探偵は横のつながりを保有している場合があり、それぞれの業務範囲を分担して行っているとも言えます。
また弁護士が経営している探偵事務所も世の中にはあります。
弁護士ではなく探偵に依頼しよう
探偵・興信所に最初から自分で相談する方がメリットがあります。
調査費用の面で弁護士にはデメリットあり
弁護士に調査を依頼しても結局探偵が調査をすることになります。
弁護士からの仲介で探偵を紹介してもらうとマージンや紹介料がとられる事もあり、その分トータルの費用が上がるので最初から探偵に相談したほうがよい、という事です。
探偵は複数社に相談し見積りを取り、自分で選定する方がよい
弁護士の仲介で探偵を紹介してもらうと自分で選ぶことができません。(弁護士が信頼できるなら両者にとってメリットなのでその方がよいですが)
場合によっては自分に合わない探偵が選ばれます。
自分で最初から探せば、よりよい探偵社が見つかる可能性が高まります。自分で相性の良い業者を選定した方がメリットは大きいです。
加えて1社選定よりも2社選定して見積もりや提案内容を比較して決めたほうが安くあがるので納得も出来るでしょう。
自分で直で依頼すれば、細かい事を指示ないし相談に乗ってくれる事が多いです。現在はネット社会です。簡単に優良な業者を探せる時代です。
弁護士と探偵は領分が違います。調査は調査の専門に任せた方が良いのです。
探偵から弁護士を紹介してもらおう
誤解を恐れずに言うと、法曹資格者はいまだ、探偵・興信所と違いフットワークが重いです。法律を遵守する人は消極的な人が多い傾向にあります。探偵・興信所の場合には、専門なので、迅速にフットワークが軽く、調査の「ツボ・要領」を把握しています。
探偵社は民事の問題を解決するための調査の実務能力においては、警察含め他の誰よりも優れています。そのための専門家です。
探偵から弁護士を紹介してもらう際には初回は紹介料無料で、というケースが殆どです。そちらのほうが得かもしれません。
